こんにちは。元某県庁職員のhiromiです。
小さな子どもを育てる公務員ママの働き方として、育児短時間勤務と部分休業があります。
どちらも仕事の時間を短くできる制度ですが、実際にどんな働き方になるのかわからないことも多いですよね。
そこで県庁在職時に部分休業を2年8か月、育児短時間勤務を3年取得した経験を生かして、実際に働いたときに感じたメリットやデメリットなどをまとめてみました。
特に育児短時間勤務を選択するママは少ないので、私の経験を参考にしてもらえればと思います。
どちらの制度を選んだらよいのか迷っている公務員ママの参考にしてもらえたら嬉しいです。
育児短時間勤務とはどんな制度なのか
育児短時間勤務とは、小学校就学前の子が対象となり、正規職員として在籍したまま勤務形態を変更できる制度です。
勤務時間は4パターンから選べます
勤務時間は次の4パターンから自分のライフスタイルに合わせて選べます。
- 月曜日~金曜日の5日間いずれも3時間55分勤務(週19時間35分勤務)
- 月曜日~金曜日の5日間いずれも4時間55分勤務(週24時間35分勤務)
- 月曜日~金曜日の5日間のうち2日間を週休日、残りの3日間を7時間45分勤務(週23時間15分勤務)
- 月曜日~金曜日の5日間のうち2日間を週休日、残りの2日間を7時間45分勤務さらに1日は3時間55分勤務(週19時間25分勤務)
〈1の場合〉通勤は毎日しなければならないが、半日の勤務で帰れる働き方。
〈2の場合〉通勤は毎日しなければならないが、5時間弱の勤務で帰れる働き方。
〈3の場合〉3日フルタイムをしなければならないが、平日に2日休める働き方。
〈4の場合〉2日フルタイムをしなければならないが、1日は半日勤務、平日に2日休める働き方。
2の場合は、あと1時間長く働くと部分休と同じになります。それならば、少し長く働いて待遇の良い部分休を取得した方が良いかもしれません。
実際に私の同期は2を選択して、その時間の半端さゆえに後悔をしていました。
毎日早く帰りたい場合は1の勤務時間を。平日にフルタイムをする日があっても問題がない場合は3または4を選択すると良いかもしれません。
私は週5日半日勤務を選択
私は下の子が年中~年長の2年間、週5日3時間55分勤務を選択しました。(上記勤務時間1のパターン)
これを選んだ理由は2つ。
- 小学生の上の子(当時小学4~5年生)の帰宅時間までに帰りたかったから
- 小学校の長期休暇の際に、上の子を一人で留守番させることを考えると、私の勤務時間が短い方が良いと考えたから
実際は、保育園に通う下の子ではなく、小学生の上の子が育児短時間勤務の恩恵に与っています。
帰宅が早く、長期休暇もある小学生。
学童も4年生は入れなかったので、下の子の制度を使って私勤務時間を短くすることで留守番の時間を減らすことにしました。
実際の勤務時間は昼食休憩なしで9時~12時55分にしました。
3時間55分勤務の場合、昼食休憩を入れても、入れなくても大丈夫です。
私は早く帰宅したかったので、昼食休憩を取りませんでした。
ちょうど皆がお昼ご飯から帰ってきたところで入れ替わって帰宅する、という感じです。
昼食休憩中の留守番代わりにもなるし、人が少なくなって仕事に集中できたので、昼休み中に仕事をするのも悪くはありませんでした。
帰宅後は、自宅でお昼を食べたり、家事をしたり、子どもたちが帰ってくるまでは自分の時間を取ることができます。
子どもたちの帰宅後は、先に家事を済ませてあることで、余裕を持って接することができました。
小学校の長期休暇の時も、この働き方のおかげで留守番時間を短くしてあげることができました。
同僚の選択は週休4日
私と同じ課に育児短時間勤務を取得しているママが他に2人いましたが、2人とも週5日のうち、2日休み・2日フルタイム・1日3時間55分という働き方でした。(上記勤務時間4のパターン)
平日に2日休みがあるので、土日を合わせて週休4日になります。
フルタイムを2日しなければなりませんが、その日はどうするのか聞いてみました。
1人はフルタイムの日は旦那さんが夕飯担当をしてくれたり、実家に子どもの送迎をお願いできるので、溜まった仕事を片付けるために帰りが少し遅くなることもあると言ってました。
もう1人は、実家や旦那さんの手伝いがないので、フルタイム後はできるだけ早く帰って延長保育をしている子どもを迎えに行くと言っていました。
2人とも共通して言ってたのは、「フルタイムの日は大変だけど、平日休みの日があるのは自分の時間が取れてすごくいい。」ということでした。
ママに余裕ができると、家の中がうまく回ります。
週に3回職場に行けば良いので、朝のバタバタや通勤も3回で済みますし、フルタイムをする日があっても大丈夫であれば、この働き方も良いですね。
給与は勤務時間に応じて変更
育児短時間勤務の場合、「勤務時間」が短く変更されます。
そのため、基本給自体が勤務時時間に応じた額に変更されます。
具体的には以下の算出率に基づいて給与額が決定されます。
算出率=短時間勤務の勤務時間÷正規の勤務時間
もし勤務時間が週19時間35分の場合、フルタイムは週38時間45分なので
算出率=19時間35分÷37時間45分=約51.9%
つまり、勤務時間がフルタイムの51.9%になると給与も51.9%になるということです。
勤務時間が短い分、同じ割合で給与も減るということですね。
期末・勤勉手当はどちらも減額
期末手当は、勤務時間の短縮分の1/2の期間を在職期間から除きます。
勤勉手当は、勤務時間の短縮分を勤務期間から除きます。
退職手当を計算する際の在職期間が短くなる
育児短時間勤務をした月数の1/3が在職期間から除算されます。
育児部分休業とはどんな制度なのか
部分休業とは、小学校就学前の子を養育するため、正規の勤務時間の始め、または終わりに、1日の勤務時間の一部について勤務しないことを指します。
1日の勤務時間のうち、2時間まで休暇がとれる
1日2時間を超えない範囲内(30分単位)で、勤務の始めまたは終わりに休暇を取ることができます。
私の場合
第一子の長女出産後に仕事復帰した際は、部分休業を取得していました。
朝30分、夕方1時間30分の部分休業を取得し、9時~15時45分まで勤務をして、16時過ぎには保育園のお迎えに行けました。
ちょうど保育園の降園時間が16時からだったので、この働き方だと仕事帰りに子どもを迎えに行って、帰宅することができました。
帰宅後は、子どもにテレビを見せながら夕食の準備をします。
慌ただしい日々でしたが、当時は保育園児だった長女一人だけだったので、なんとか日々のタスクをこなせていました。
給与は部分休暇を取った分だけ減額
勤務しない1時間(部分休暇を取った時間)につき、勤務1時間当たりの給与額を減額されます。
部分休暇については無給ということです。
1日有給休暇を取った場合は、その日取得予定だった部分休暇は取り消され、フルタイム1日分の給与が支払われます。
部分休業は有給休暇や看護休暇などでお休みをした日が多いほど、その月の給与が増えることになります。
期末・勤勉手当はほとんど影響なし
期末手当には影響ありません。
勤勉手当は、取得時間を日に換算した日数(7時間45分=1日で換算)が30日を超える場合に全日数除算されます。
例えば、毎日2時間、月20日、6か月部分休を取得すると240時間=約30日分になります。有給を取ったりや祝日等でこれを越えなければ勤勉手当が除算されることはありません。
退職手当の計算
全期間勤務したものとみなされます。
育児短時間勤務と部分休業、それぞれのメリット・デメリット
育児短時間勤務、部分休業の制度がわかったところで、次はそれぞれのメリット、デメリットを私の経験から挙げてみました。
育児短時間勤務のメリット
- 子どもとの時間が取れる
- 自分の時間が取れる
- 家事をする時間が取れる
- 正規職員の立場でありながらパートの勤務時間で働ける
- 勤務時間の割合に合った業務量にしてもらえる
仕事の時間が抑えられることから、自由に使える時間が増えることで生活が充実するという、時間的なメリットが大きいです。
また組織によると思いますが、人事配置される時に1人としてカウントされないため、短時間勤務でこなせる業務量が事務分掌となるはずです。
育児短時間勤務のデメリット
- 給料やボーナスが約半額になる
- 退職金が減る
- 新しい仕事が覚えづらい
- 通勤時間の割合が高くなる
- 周りに取得している人が少ない
- 組合費が高い
- 基本的に残業ができない
収入が減ることは覚悟しなければなりません。
それでも、同じ時間パートとして働くよりは、多い収入が得られます。
また、短時間勤務では拘束時間のうち通勤時間の割合が大きくなります。
数時間の勤務のために、遠方から出勤するのでは割が合いません。
勤務地が遠い場合は、近くへ異動希望するか、週3日通勤するパターンの短時間勤務にすると良いと思います。
他にも、まだ短時間勤務の職員が少ないことで、肩身が狭い思いをしたりすることもあるかもしれません。
制度としてきちんと認められているものですし、自分の給与や退職金を犠牲にしてまでも、この制度を選択しているわけなので、堂々としていて大丈夫です。
短時間勤務職員がいる職場は、それなりの人事配置もされているはずです。(再任用職員とセットで配置されるなど)
私の場合は、育休前に1年半ほど仕事をした職場に復帰して短時間勤務をしたため、仕事内容も理解していました。
そのため短時間でも効率よく仕事ができたので、業績評価で良い評価もいただけました。
半日勤務なのに、普通の人の1日分の仕事をこなしているね、と言われました。
ありがたい言葉ですが、給料半額で、フルタイムの仕事をこなしているなんてちょっとどうなんだろうと思ったりもしました。
部分休業のメリット
- 短時間勤務に比べて給料が多い
- 有給を取ると給料が増える
- 部分休業を取得しているママが多い
短時間勤務より勤務時間が長い分、給料も多くなります。
退職金にも影響がありません。
また、有給休暇を取る場合、部分休を取り消して有給休暇に変えることで、フルタイム1日分の給料が出ます。
つまり、有給休暇で休み、部分休を使わないほど、その月の給料が上がります。
子どもの行事や体調不良で、有給休暇や看護休暇を取る機会が多いママには、大きなメリットですね。
育休復帰時に多くのママが部分休業を選択するので、仲間が多いのも心強いです。
ママ同士で情報交換をすることもできます。
部分休業のデメリット
- フルタイムと同様に1人分の仕事を与えられてしまう
- 時間内に帰れないことがある
部分休業の一番のネックは、与えられる仕事量が普通の職員とほぼ変わらないことです。
私は1人目出産後職場復帰する際、2時間の部分休業を取得することにしました。
産休前と同じ職場に復帰しましたが、フルタイムで働いていた頃と同じ仕事を与えられました。
新しく覚える必要がなかったのでその点良かったですが、ボリュームのある仕事だったので時間内に仕事をこなすのは大変でした。
フルタイムの時より勤務時間が2時間少ないので、効率化を意識したり、昼休みも仕事をしたり、パートの方に簡単な仕事はお願いしたり、それでも間に合わないときは休日出勤していました。
部分休業を取得しているママは多くいましたが、特に本庁で勤務する場合、残業や休日出勤をしていることが多かったです。
予定していた時間に帰れないことを悩んでいるママも多くいました。
職場によって、働きやすさは違ってきます。業務量が多すぎると感じたら迷わず上司に相談しましょう。
育児短時間勤務を希望する方へのアドバイス
働きながらも子どもとの時間、自分の時間を大切にしたい方は育児短時間勤務をおすすめします。
育児短時間勤務は未就学児の間だけです。
いずれ、数年後にはフルタイムで働かなくてはならない時が来ます。
子どもが小さい間だけでも、ママが時間的な余裕を持つことで、家族が笑顔になれるのであれば短時間勤務を利用するのも良いと思います。
また、私のように上の子が小学生の場合にも助かります。
まだまだ短時間勤務で働く職員は少ないかもしれませんが、勇気を出して職場に相談してみましょう。
職場への相談はできるだけ早いうちに。
短時間勤務の場合、勤務時間が約半分になるので、人員の補充をしてもらえるかもしれません。
それぞれの組織によって考え方が違うかもしれませんが、例えば同じ職場に短時間勤務を2人配置して1人扱いとするなど。
私の場合は、再任用職員の方とセットで1人扱いにしてもらってました。(人事配置上のカウントなので、実際その方と一緒の仕事をしたわけではないですが)
このように、場合によっては職場への人員上の負担をかけることなく、短時間勤務ができます。
ただ、職場からしたら、フルタイムが一人いた方がやりやすいことに変わりはないと思うので、周りに多少の負担はかけてしまっていることを意識しなければなりません。
職場の同僚には、自分の不在時に対応してもらったことなど、感謝の気持ちをきちんと表す。
上司ともよくコミュニケーションをとって、業務全体の流れがどうなっているのか把握しておくなど。
短時間で仕事をこなすには周囲の人との関係を良好に保っておくことが何より大切です。
お互いに気持ちよく仕事ができるように、短い時間の中でも周りに気を配れると良いですね。
まとめ
育児短時間勤務も部分休業も、公務員ママが仕事をする上で必須な制度です。
それぞれの制度について、私の経験から得たことをお伝えしました。
時間を取るなら育児短時間勤務、収入を取るなら部分休業。
ただ、そう簡単には割り切れないところもあります。
自分の人生で何を大切にして生きたいのか。
身近な人の協力がどれくらい望めるのか。
そして子育て制度について職場がどれだけ理解を示してくれるのか。
仕事と育児のバランスをよく考えて、後悔のない選択ができることを願っています。
コメント
同じく公務員です。育児短時間勤務の取得を検討していますが、「配偶者が育児休業中、又は職員が育児短時間勤務することにより養育しようとする時間に職員以外の子の親が養育できる場合は承認されない」とあります。勤務していない時間は子を養育していなければならない=保育園に預けられない=自分ひとりの時間は確保できないという事でしょうか?
コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ありません。
私の勤めていた自治体では、そのような厳しい条件はありませんでした。育児短時間勤務を取得する際の申請では、小学校就学前の子がいることを明記するのみで、養育状況を問われません。同じ職場だったママさんは、平日に2日間休みがある勤務形態を選択し、勤務のない日でも子どもは保育園に預けて、家事や自分の時間を作っていました。平日に自分の時間を作ることできちんと育児に向き合えると言っていました。
自治体による条例の違いもあるかもしれませんが、地方公務員等の育児休業に関する法律第10条などを見ても、取得する際にそれほど厳しい要件が課されるものでもないと思われます。申請書類を確認してみたり、人事課等に問い合わせてみると良いかもしれません。