2023年3月末に19年勤務した地方の県庁を退職しました、40代小学生2児の母です。
退職理由はずばり、子育てに専念したかったからです。
公務員を退職するのはもったいないと思いますよね?
なんとかしてその地位にしがみついていれば、決まった給与ももらえるし、定年になればそれなりの退職金ももらえます。
地方にいる女性にとっては、条件の良い働き先かもしれません。
それでも私は下の子の小学校入学を期に、仕事を辞めました。
子育てに専念するために思い切って仕事を辞めた理由を挙げてみます。
同じく退職を迷っているママ達の参考になればと思います。
我が家の家庭環境
夫も同じく公務員で通年多忙である
私たちは職場結婚で、二人とも事務職の県庁職員でした。
本庁の仕事は基本的にどこも忙しく、我が夫はその中でも特に忙しい課を渡り歩いています。
そして今後もメンタルを病まない限り、余裕のある職場に行くこともないであろうと思われます。
男性の育休取得率を上げようとしてますが、赤ちゃんのうちだけでなく、幼少期や学童期にも父親が関われるように仕事負担を考えてもらいたいものです。
時間があれば子どもの相手をしてくれる、子育てに前向きなパパですが、なんせ子どもと接する時間がありません。
平日に一緒に夕食を食べられることはほぼないですし、子どもが起きているうちに帰ってこないこともしばしば。
平日はほぼワンオペです。
私は短時間勤務をしていましたが、遅くとも制度的に3年後にはフルタイムで働かなくてはならない状況は、不安でしかありませんでした。
実家の助けを求めづらい
お互いの実家は同じ県内にあり、それほど遠くはありません。
それでも、同じ敷地に住んでいるわけではないので、何かお願い事があればわざわざ来てもらわなければなりません。
私の実父はなく、実母はまだ仕事をしており、その上で祖父の面倒も見ています。
また、義母は少し離れたところに住んでおり、年の1/3程度は遠方の義姉のところに行っています。
私がフルタイムになった時に、子ども達の夕飯や習い事の送迎などを日常的にお願いするのは難しい状況です。また、長期休暇中ずっと面倒を見てもらうわけにもいかなそうです。
県庁職員として働くママさんを見ていると、実家が自宅と同じ敷地にあって両親がいろいろ手伝ってくれたり、同じ学区内に実家があり学童に行かずに子どもたちは実家に帰っているなど、実家の援助がある場合も多いです。
もちろん、実家に頼らず頑張っている方もいますが、子どもに手をかけることができず悩まれている方が多くいました。
私は無理を言って実家に助けてもらっても、なにかしら歪みが生じる気がして、頼るという選択肢は取れないと判断しました。
子どもに「おかえり」を言いたい
そもそも、私には憧れる子育てシチュエーションがありました。
それが、子どもが学校から家に帰宅した時に、「おかえり」と言うことです。
これ、簡単なことのようですが、フルタイムで働くことになったらできることじゃないです。
定時で17時15分なので、急いで帰宅して18時でしょうか。
子どもの帰宅はもっと早いです。
私は育休復帰後、育児短時間勤務や部分休暇などの制度を利用していたので、子どもの帰宅に合わせて仕事を終わらせて帰宅することができていました。
しかし、その制度を使えるのも下の子が3年生まで。その後はフルタイムです。
そしてフルタイムになって一番怖いのが、定時で帰れなくなることです。
フルタイムになると育児中の職員というフィルターが外れてしまいます。周りを見ていても、フルタイムママがちゃんと定時で帰れる保証はまったくありませんでした。
定時帰りでさえそれなりに遅い時間になってしまうのに、残業しようものなら夕飯やその後の家族の時間を犠牲にしてしまいそうです。
最近では女性の地位向上のため、女性職員が管理職以上に抜擢される場面が多くなってきました。
私たちの世代は、ただでさえ採用人数が少なくそのうち女性は少数です。
フルタイムになり育児中という肩書がなくなったら、女性を積極的に登用するという組織の目標のため、将来を期待されるとともに仕事の負担が重くなることが容易に想像できます。
今後、定時で帰れる日々を送れる保証はどこにもないのです。
そうなると、学校から帰ってきた子供たちは合鍵で家に入り留守番。そして夏休みなどの長期休暇は朝から晩まで留守番しなければなりません。
子どもは親がいない生活に慣れるかもしれませんが、私はそれを子どもに強いることに耐えられませんでした。
何かあった時、すぐに話を聞いてあげられるように、家にいて「おかえり」を言ってあげたい。
子どもと過ごす時間を確保することは公務員を辞めるに値するものだと思ったのです。
専業主婦になる夢
将来の夢がなく育った私ですが、専業主婦になってみたいという憧れはありました。
ただ、お金持ちと結婚しない限り難しいのだろうなと諦めていました。
仕事をし続けなければならないのであれば、公務員は女性でも働きやすく、将来続けるに値する仕事だと思って入庁しました。
独身のうちは、仕事中心の生活を送り、残業や休日出勤にもなんなく対応できていました。
そして、結婚して子供を持って、仕事に対する考えが変わりました。
仕事中心ではなく、子ども中心に物事を考えるようになったのです。
そこで、仕事を辞めて専業主婦になるという選択肢を考え始めました。
今は女性も仕事を持って、外で働くことが歓迎される時代になりましたが、次世代を担う子供たちを家で育てるのも、大事な仕事ではないでしょうか。
専業主婦として子育て中心の生活を送り、その間自分のスキルを磨いて、子どもに手がかからなくなったら何か仕事をするのでも良いと考えました。
将来いつ訪れるかわからない幸せよりも、今、幸せな生活を送りたいと思ったのです。
子どもと過ごす時間が、私の人生にとって一番大事なものだと思えたのです。
時代の流れ
子どもがいても女性が外で働きやすいように、いろいろな制度が整えられてきています。
女性も生涯働くもの、という価値観を植えつけられている気がします。
子どもが小学生になると、職場の見方も変わります。
≪もう子どもも大きいんだし、そんなに気にかけなくてもなんとかなるでしょう?≫
もちろん、仕事をする以上、中途半端ではなくしっかりとやりたい。
そして仕事を頑張れば頑張るほど、仕事が回ってくるという悪循環・・・
実際にどんな職場に配属されるか、どんな同僚に囲まれるのかで大きく違ってきますが、人事異動の運任せで人生を翻弄させられるより自分で選んだ道を生きたい。
ここ数年のコロナ騒動で、世の中の価値観が変わり、私の退職への気持ちも高まりました。
主人と二人で公務員の仕事をするより、一人はフリーの方が家庭がうまくいくかもしれない、という気がしてきました。
コロナの件もそうですが、これからも、いつ何が起こるかわかりません。
仕事を気にせず、子どものことを一番に考えられる人が、家庭に一人いるほうが安心です。
また、テレワークの普及で在宅でできる仕事も増えているし、働き方もいろいろな選択肢が増えたように思います。
時代が、公務員を辞めてもいろいろな選択肢があると思わせてくれるようになったのも退職に踏み切れた理由の一つだと思います。
唯一の心配はお金のこと
私と同じように、公務員を辞めたいけれど辞められない、というママはたくさんいました。
みんなネックなのはお金のこと。
もちろん、私も不安はありました。
だからと言って、このままずるずる仕事を続けていれば、時間がどんどん過ぎてしまいます。
きちんと子どもとの時間をとりたい、子どもの時間も大事にしてあげたい、ということであれば決断しなければなりません。
しばらくは夫の収入だけになりますが、何とかなるだろう・・・何とかしよう!!と考えました。
FPの勉強をしてお金に詳しくなることや、家計の見直しをすることで、共働きでなくても何とかなるように頑張れそうだと思いました。
また、在宅でできそうな仕事をやってみるのも良さそう。
もし、外で働かなければならなくなったら、その時はその時。パートの仕事なら勤め先はありそうです。
今回もらえる退職金を原資に、本来もらえるはずだった退職金に近い額まで運用できれば、老後は何とかなりそうです。
甘い考えかもしれませんが、自分の人生を自分の思うように生きるために、退職を決断しました。
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