公務員の退職金について(自己都合退職の場合)

公務員の退職金について 公務員退職のこと
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公務員として働くメリットの一つがきちんと退職金をもらえることだと思います。

勧奨・定年退職の場合、私の働いていた県では平均1686.1万円(令和3年度)の退職金が支払われているようです。

勧奨退職(勤続20年以上対象の人の退職)が含まれているので少し低めの平均値ですが、実際60歳で定年退職している課長・次長レベルの方の退職金を伺ったところ、2,000万円を超える程度の金額でした。

そして自己都合退職の退職金の平均は192万円(令和3年度)でした。

大きな差ですね。

そもそも自己都合退職者が少ない中勤続年数もバラバラだと思われるので、公表されているデータでは参考にしづらいかもしれません。

自己都合退職した人の退職金について話を聞く機会はほぼないと思うので、私の経験を参考にしてもらえればと思います。

退職金の計算方法

一般に「退職金」と言っているものは、正式には「退職手当」という諸手当のうちの一つです。

「退職手当」は、勤続報酬、賃金の後払い、生活保障という性格を有する手当で、職員が退職または死亡した場合にその者またはその遺族に一時金として支給される給与となります。

主な退職には、定年退職(現在は60歳)、勧奨退職(40歳以上かつ勤続20年以上での退職希望者)、そして自己都合退職があります。

支給額は以下のとおり計算されます。

退職手当=基本額(給料月額(含む給料の調整額))×支給率退職手当の調整額

  • 基本額は退職前の給料月額となります。
  • 支給率は勤続年数ごとに退職事由によって決められた率があります。各自治体ごとに条例で定められています。 勤続年数と支給率グラフ
    • 上記は私のいた県での勤続年数と自己都合退職の支給率の関係をグラフにしたものです。1年/0.5022 10年/5.022 15年/10.3788 20年/19.6695(自己都合)または24.586875(勧奨)
    • 勤続20年以上、40歳以上の場合は勧奨退職で退職すると支給率が高くなります
    • 勤続年数は休職、停職、育児休業、短時間勤務の取得等により除算期間があるため、実際の入庁からの期間ではないことに注意 
  • 退職手当の調整額は職員区分(第1号区分~第9号区分)によって定められています。自己都合退職で金属年数10年以上24年以下の場合、合計した額の1/2に相当する額の加算となります。

勤続期間等の計算における産休・育休・短時間勤務の扱いについて

退職手当の計算には勤続年数が大きくかかわります。

勤続年数が1年違えば、給料1~2か月分程度の額が退職金の違いになり得ます。

では、産休、育休などで仕事をお休みしていた間は勤続期間に含まれるのでしょうか。

≪私が勤めていた県の場合≫

産前産後休暇は、全期間が勤続期間になる
育児休業期間は子どもが1歳になる前までは2/3、それ以降は1/2として計算される。

育児休暇は3歳までとれますが、その間も全期間ではないですが勤続年数に換算してもらえるようですね。

次に仕事復帰後、育児短時間勤務部分休業などの働き方をしていた場合、どうなるでしょうか。

育児短時間勤務・・・常勤職員のまま短時間勤務すること(例えば1週間当たり19時間35分勤務)ができる制度
部分休業・・・1日につき2時間を超えない範囲内で勤務しないことができる制度

≪私が勤めていた県の場合≫

育児短時間勤務をしていた期間のうち2/3が勤続年数となる
部分休業は全期間勤務したこととなる

育児短時間勤務は勤務時間を短くする制度→通常のフルタイム職員との勤務時間が違う→勤続年数の差あり

部分休業は勤務時間はフルタイム職員と一緒だが、毎日2時間まで休暇が取れる制度→全期間勤務

ということなのだと思います。

子育てをするなら、短時間勤務を行うほうが時間に余裕を持てますが、金銭面は損することが多いです。

ずばり、私の退職金

入庁19年ですが、その間に産休・育休・部分休・短時間勤務をしています。

そのため、勤続年数は以下のように計算されています。

産休  すべて勤続期間に含まれる

育休  第1子・・・2歳2か月まで取得  第2子・・・3歳まで取得

→ 1歳までの期間(2/3が勤続期間) 10か月×2人×2/3 =13か月

→ 1歳以降の期間(1/2が勤続期間) (14か月(第1子)+24か月(第2子))×1/2 =19か月

よって 58か月の期間が 32か月に短縮されています(26か月の除算)

部分休暇 第1子出産後復帰してから2年8か月の間

→短縮なし

短時間勤務 第2子出産後3年の間

→36か月×2/3=24か月(3年働いたのに、2年働いたことと同じ・・・)

よって 36か月が32か月に短縮(12か月の除算)

全て合わせると勤続年数19年のうち、38か月分除算されています

つまり、勤続年数15年の支給率となります ※1年未満の端数は切り捨て

また、育休取得や勤務時間の短縮により、実際に仕事をしている時間が短くなることで昇格(職位が上がること)が遅れざるを得ないこともあります。(ただし昇給は育休取得していても関係なし)

そのため、退職金を計算する際の基本給も子育て関係の制度を利用していない同期に比べるとやはり低くなっていると考えられます。

それらをふまえて参考にしていただければと思いますが

勤続19年(除算期間38か月)、子育て制度(育休、短時間勤務)を活用してきた地方公務員の退職金は、ずばり、手取り412万円でした。

これは多いでしょうか、少ないでしょうか・・・。

私はもっと少ないと思っていたので(笑)これくらいいただけてありがたかったです。

退職金と子育て制度に思うこと

育休を多く取得してきた割には、思ったほど除算期間が少なく済んだ印象です。

ただ、復帰後の短時間勤務を取得する際は注意が必要です。勤続年数の除算期間の扱いが部分休暇とは違う点をよく考えて選択すると良いでしょう。

働かなくても勤続年数に加算してくれる育休期間とは違って、働いているのに(しかも一人前の仕事を任されているのに!)1/3の期間除算されてしまう育児短時間勤務は、こうやって改めて考えてみると、いろいろもったいない部分があります。制度が改正されると良いのですが、難しそうです。

男性の育児休暇取得を推進するのも良いですが、復帰後の女性の働きやすさや給与・退職金等の諸手当の改善をしていくことも必要であると思います。

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